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社会・文化

鶏卵汚職「接待漬け」の農水省

復活「畜産局」は嵐の船出に

2021年1月号

 農林水産省は今夏、大幅に組織を再編し「悲願」の畜産局が復活する。しかし、吉川貴盛元農林水産大臣が鶏卵生産大手のアキタフーズ(広島県福山市)から現金計五百万円を在任中に受け取った疑惑で、畜産行政は足元から揺らいでいる。捜査の展開次第では、新しい組織ができても満足に機能しない恐れがある。
「アキタ疑惑」は、本誌十二月号の情報カプセル「河井夫妻買収事件に新展開か」をきっかけに、主要各紙が二〇二〇年十二月二日付朝刊で一斉に報じ、吉川元農水相はすかさず「入院」という形で逃亡。逃げ切れぬとみたか、十二月二十二日に健康問題を理由に衆院議員を辞職し、二十五日には関係先に家宅捜索が行われた。アキタ疑惑の第二幕はこれからだ。

「江藤親衛隊」畜産官僚の暗躍

 今後の展開について捜査関係者は「3川だよ」と示唆する。吉川元農水相と西川公也元内閣官房参与(元農水相)。もう一人は本川一善元農林水産事務次官だ。その「心」は、政治家だけではなく官僚もターゲットであり、収賄だけでなく、あっせん利得処罰法の適用を視野に入れているという・・・