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WORLD

「地球温暖化難民」十二億の戦慄

巨大な人波が先進国に襲来

2021年2月号

 グアテマラ、ホンジュラスと聞けば、コーヒー通には馴染みの中米ブランドだ。近年、この地方のコーヒー産地が地球温暖化により、大打撃を受けている。昨年から今年にかけては、新型コロナウイルス感染拡大による経済苦境も加わって、数千人が徒歩で米国を目指す「移民キャラバン」が復活した。
 世界的にはアフリカ大陸、インド亜大陸などで、温暖化により移住を迫られる人が激増し、「気候変動難民」という言葉が使われるようになった。温暖化によって住まいを追われる人は、二〇五〇年までには十二億人に達するという推計もあり、先進各国は緊急対応を迫られている。

難民とは認めぬ国連

 米国では、政情不安で腐敗した国を嘲る、「バナナ共和国」という言葉がある。コーヒー豆栽培が定着する前のホンジュラスがまさにそれで、輸出のトップがバナナ。政治家は汚職まみれで、クーデターが頻繁に起きていた。
 コーヒー豆栽培は、一九七〇年代に米国の支援で本格化し、やがて国民に希望を与えるようになった。雨季と乾季がはっきりした気候は、コーヒー豆栽培に・・・