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政治

菅官邸を掻き乱す「神奈川人脈」

コロナ対策「迷走」の震源

2021年3月号

 新型コロナウイルス(以下、コロナ)対策の迷走が止まらない。政府は二月九日、東京や大阪などの繁華街で、不特定多数を対象に一日一万件以上のPCR検査を実施すると発表した。一方、一月十五日に広島県が最大八十万人を対象にPCR検査を実施することを公表すると、政府は翌十六日に広島市に対する「緊急事態宣言に準ずる地域」の認定を見送ることを決めた。補助金を減額された広島県は、感染が収束しつつあることを理由として、PCR検査の対象を数千人に大幅縮小することとなった。こうした迷走の裏には「神奈川県ゆかりの菅総理ブレインの暗闘」(官邸関係者)がある。

検査抑制派と推進派の張り合い

 国内では、PCR検査抑制か推進かで激しい議論が続いている。抑制派の中心人物が岡部信彦だ。岡部は「(PCR検査では)偽陽性や偽陰性は必ず出る。たくさんやればやるほど判断に困る結果が出る」と主張している。岡部は慈恵医大を卒業した小児科医で、感染症の専門家だ。世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局伝染性疾患予防対策課長、国立感染症研究所感染症情報センタ・・・