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経済

トヨタ章男「反脱炭素」の乱心

「EV憎し」で相次ぐ異様な言動

2021年4月号

「殿、ご乱心」の行状が次々と明らかになり関係者を陰鬱とさせている豊田章男・トヨタ自動車社長だが、東日本大震災十周年に当たる三月十一日もやってくれた。日本自動車工業会会長として記者会見に臨んだ章男社長は「東北の皆さんと一緒にカーボンニュートラル社会という未来を実現することが、自動車産業の役割だと思っております」と発言。ここまでなら、福島第一原子力発電所事故で再生可能エネルギーの利用促進が国策で進む東北地方へのエールととられたかもしれない。
 ところが章男氏は「だからこそカーボンニュートラルにおいても、自動車をど真ん中に置いていただきたい。カーボンニュートラルを実現するためには、エネルギー政策と産業政策をセットで考えることが必要だ」と、いつもの持論を展開。「重要なことはLCA(ライフ・サイクル・アセスメント=製品の製造・輸送・販売・使用・廃棄・再利用までの総環境負荷評価)であり、クリーンエネルギーのあり方が問われる」(章男社長)のだから、いくら電気自動車(EV)化を進めても意味がないという「理屈」だ。

EV報道に露骨な「圧力」・・・