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経済

大和証券「SDGs」の大嘘

「石炭火力発電」事業で悪行三昧

2021年4月号

 地元の反対派幹部は、強い義憤をにじませた。
「あれが大和証券の発電所だなんて誰も知りませんよ。本社所在地が東京と聞いて初めて分かった」
 北海道釧路市―。かつての“炭鉱の街”で昨年十二月、運転開始した石炭火力発電所に環境団体の批判が巻き起こっている。
 同石炭火力は地元の有力企業、釧路コールマイン(KCM、太平洋炭礦の後身)の国内炭を燃料に発電する地産地消プロジェクト。市長・蝦名大也の支援の下、蝦名の後援会長であるKCM創業者・中島太郎の肝煎りで進められてきた。一月は十一万キロワットの発電出力がフル稼働、多くの排煙が上がり、KCMの貯炭場からは一日百台以上のトラックが往来した。騒音は公害防止協定が定める七〇デシベルを超えたという。
 実はこの釧路火力発電所の操業主体は、電気事業のインフラファンド、IDIインフラストラクチャーズであり、その五〇%の大株主が大和証券グループ本社なのだ。大和と言えば、「SDGs(持続可能な開発目標)」を社是に掲げ、グリーンボンドや環境関連投資信託の販売大手だが、表の顔とは裏腹に二酸化炭素を大量・・・