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自衛隊は「戦える軍隊」に変わる時

ジェフリー・ホーナン(米・ランド研究所研究員)

2021年4月号

 ―米新政権と菅政権の初顔合わせから何が読み取れますか?

 ホーナン 外務・防衛の「2+2」協議でも、「クアッド(四カ国)」首脳会議でも、バイデン政権は、日本の立ち位置と同じところにいることを示したと思う。強固な同盟には、変わりがない。特に「2+2」では、中国に関する共同声明で、私も「おやっ」と思ったほど強い言葉で、中国の問題を指摘した。対中関係についても、日米は認識を深く共有していると思う。

 ―米中はアラスカで激しくやり合いました。

 ホーナン お互いにたまっていたものを、全て吐き出した。中国が、米国の政権交代で「リセット」と思っていたなら、それは大きな間違いだ。
 バイデン政権と前政権との違いは、人権問題への懸念を、より明瞭にしたことだ。香港、台湾、新疆ウイグル自治区のウイグル族の問題は、今の共産党政権が、いったいどんな体制なのか、人間をどんなふうに扱う政府なのかをはっきり示した。抑圧に苦しむ人たちには、「あなた方は一人ではない」というメ・・・