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中朝「対米共闘戦線」の不穏

北の「武力挑発」はどこまでやるか

2021年5月号

 バイデン米政権からともに圧迫を受けている中国と北朝鮮が、首脳会談に向けた準備を進めていると韓国の情報筋が本誌に明らかにした。実現すれば平壌で二〇一九年六月に行われて以来のことで、バイデン政権下では初めてとなる。中朝両国は、今年に入って急接近しており、対米共闘戦線を形成するのかどうか注目されている。
 前出韓国情報筋によると、中朝首脳会談に向けた動きは三月末頃からみられたという。韓国紙・東亜日報によると、韓国大統領府の徐薫・国家安保室長は四月初めに予定されていた米韓「2+2」会談のため訪韓したブリンケン米国務長官にこの情報を伝えた。
 しかし、別の情報筋によると「新型コロナウイルス対策のためやむを得ず延期した」のだという。
 中朝国境では、新型コロナウイルス流入を防ぐため依然として厳重な統制が敷かれ、ほぼ閉鎖状態が続いている。「ロシアで貿易の仕事をしている労働者だけでなく、二月に入って駐中国北朝鮮大使の任を解かれた池在竜氏ですら本国に戻れずにいる」(同前)という。
 その一因が、ワクチン接種の遅れだ。北朝鮮は、ワクチンを各国で共同購入する国際的枠・・・