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政治

とんだ「茶番」の日米首脳会談

菅の「外交音痴」に米側は落胆

2021年5月号

「共同声明、五十二年ぶりに『台湾』言及」「日米首脳、初の対面会談」。四月十六日午後(日本時間十七日未明)に、米ワシントンで行われた菅義偉首相とバイデン米大統領による日米首脳会談。国内メディアは歴史的会談と位置付け大見出しで報じた。政権内からは「同盟深化に大きな成果」(二階俊博自民党幹事長)、「共同声明は中国に対するメッセージとして画期的」(下村博文自民党政調会長)などと称賛の声があふれ、菅自身も「バイデンと個人的な信頼関係を構築することができた」と自賛してみせた。
 しかし共同声明への台湾問題明記も三月の日米外務・防衛担当閣僚会合(2+2)の表現を踏襲したものに過ぎず、他に合意した内容も米国から同調を求められた項目が羅列された。日本が得た果実は「これまでの内容をなぞったものばかりだ」(自民党中堅議員)。その背景には確固たる戦略を持たず、主体性なく目先の利益にとらわれる菅の外交姿勢があった。

サシ会談でバイデンの困惑

 首脳会談で焦点の一つとなるのが、首脳同士が通訳のみを介し一対一で協議する、いわゆる・・・

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