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経済

《地方金融の研究》枚方信用金庫

逆張り「店舗改革」は奏効するか

2021年6月号

 枚方市―と書いて「ひらかたし」と読める人は関西地方出身か在住者を除いたら案外、少数派ではないか。
 人口約四十万人。太平洋戦争後の一九四七年に市制が敷かれた当時は四万人強に過ぎなかったが、高度経済成長期に大阪市や京都市のベッドタウンとして急速に発展した。しかし二〇〇九年をピークに人口減少に転じ、最近では高齢化と高齢者単身世帯の増加が一段加速する。「サラリーマンの大半は大阪市など市外に勤めに出ており、若年層は買い物も大阪市内。昼間は街中が閑散としている」。地元財界関係者の一人は嘆息する。
 集客施設がないわけではない。関西大手私鉄の一角、京阪電気鉄道の子会社、京阪レジャーサービスが運営する「ひらかたパーク」、通称・ひらパーだ。前身時代を含めると百十年超の歴史を持ち、現存する遊園地としては国内最古。ピーク時には年間百六十万人規模の入場者を記録したこともある。
 しかし少子化や〇一年に開業した大型テーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に押される形で一一年には百万人割れ。営業赤字が続き一時は存廃も取り沙汰されていた。それが巧みなプロモーション戦・・・

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