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社会・文化

「わいせつ教師」に寛大な日本

新法成立でも「児童性犯罪」は止まらず

2021年6月号

 五月二十八日の参議院本会議で、わいせつ行為などで懲戒免職となった元教師への教員免許再交付を制限する新法案が全会一致で可決、成立した。公布後一年以内に施行され、児童、生徒に対するわいせつ行為に及んでクビになった教師を事実上、永久追放することが可能になる。
 しかし実際には、この法律の制限にかからない変態教師がいる。新法が施行された後に、仮にわいせつ行為を原因として辞めながらも、再び教壇に戻ることができる「抜け道」がある。さらに言えば、年端もいかない児童や生徒を性的な慰みものにしながら、のうのうと教師を続ける人間がいるのだ。日本の教育界の暗部であり、法案が通過しても、なんら解決しない。

SNSで児童と繋がる変態教師

 教師の問題行動はそもそも表に出づらいが、グレーゾーンではなく真っ黒に近いケースでさえ、うやむやにされ、闇に葬られることがある。
 北関東のある県の児童相談所で児童福祉司として勤務した県職員が担当した女子児童のケースでは、「学校が隠蔽に加担した」といわれても仕方ないものだった。{・・・

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