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国内人事情報

2021年7月号

▼関電次期社長候補に森副社長が浮上

 関西電力の次期社長候補に、この六月に副社長へ昇格した森望氏が急浮上している。企画部門や水素事業に携わってきた人物だ。早ければ来年六月に社長に就き、森本孝社長は会長に退くとみられるが、森氏の異例のスピード昇格には関電のお家事情がある。
 同社は昨年六月、東レ出身の元経団連会長・榊原定征氏を会長に招聘した。が、この人事は原発不祥事のA級戦犯である森詳介元相談役が主導したもので、榊原氏は「お飾り」。森本氏は早期に会長・社長を生え抜き体制に戻したい。
 他方、関西経済連合会の会長人事も関電に絡む。松本正義会長(住友電気工業会長)は副会長だった八木誠氏(関電前会長)が辞任した結果、やむなく三期目へ続投したが、任期は二〇二三年五月まで。二五年の大阪万博の推進役を関電へ引き継ぐには、森本氏を次期会長含みの副会長に迎えなければならないわけだ。ただし、「お飾りとはいえ、榊原氏を二年でお払い箱にするのはいかがなものか」という財界からの批判も出ている。