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政治

「官房機密費」を巡る最近事情

菅と加藤の「不和」の源

2021年7月号

 場当たり的で戦略なき新型コロナ対策、次々と噴き出す身内の不祥事、言い間違いだらけの国会答弁等々が重なり、各種世論調査で「不支持」が「支持」を大幅に上回る菅内閣。衆院選を間近に控え、自民党内には不安と不満が渦巻き、現職閣僚たちでさえ、裏では激しい菅批判を口にする。
 その根底には、他人の意見に耳を傾けず、自らの方針に少しでも異を唱える者には閣僚であっても「俺をバカにするのか」と怒鳴り散らし、恫喝によってのみ自らに従わせようとする菅の強権体質がある。旧ソ連の独裁者に擬えた「スガーリン」という霞が関で広まる呼称が、その体質を端的に示す。
 最近、その菅の独裁体質を象徴するかのような新たな情報が漏れ伝わってきた。戦後一貫して続いてきた「官房機密費」の扱いに関する首相官邸のルールを菅が無視し、機密費を独占しているらしい―との驚愕の情報だ。

今も「菅が管理」との情報

 官房機密費の正式名称は「内閣官房報償費」。最近は毎年十二億円余が政府予算に計上され、国政運営上必要な場合、官房長官の判断で支出される・・・