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経済

太陽光ビジネスという「魔窟」

日比谷公園「不審死」と特捜部の狙い

2021年7月号

 光あるところに影あり―。東日本大震災後にブームとなった太陽光発電も十年が経過し、日の光を浴び続ける裏で闇を抱える。
 六月八日、東京都千代田区にある日比谷公園の多目的トイレで一人の男性が遺体で発見された。瀧本憲治氏(享年四十九)は、鍵のかけられたトイレ内部で手首から血を流して死んでいた。警察は周囲の状況などから自殺と判断したが、死亡していた瀧本氏は、東京地検特捜部が捜査を続ける巨額詐欺事件とも関係するいわくつきの人物だった。周囲には怪しい人脈が広がり、太陽光ビジネスに群がる怪紳士が点と線で繋がる。

鍵を握る「大樹総研」

 特捜部は六月十六日、テクノシステム社長の生田尚之容疑者を詐欺容疑で再逮捕した。生田容疑者は、太陽光発電設備などへの融資を名目に二つの金融機関から十一億六千万円余りを騙し取った容疑で起訴されている。新たな容疑も、太陽光発電への設備投資を騙って十億円余りの融資を引き出したというもの。「この再逮捕は織り込み済みだが、余罪がどれだけあるか見当もつかない」(社会部記者)。
 テク・・・

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