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経済

泥沼「東芝」を弄んだ輩たち

助言業者「お為ごかし」の所業

2021年7月号

 混迷を極める東芝の株主総会は六月二十五日に開催され、永山治取締役会議長を含む会社提案の取締役二人の再任が否決されるなど異例の事態となった。株式保有比率二〇%以上を占める上位三株主はアクティビストであり、エスカレートしていく要求への対処に、東芝は苦心していくこと必至だ。
 その原因は、六月十日に公開された調査報告書だ。筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネジメントが開催を要求した三月の臨時株主総会における株主提案の可決で、三人の弁護士により調査が実施され、昨年夏の総会は「公正に運営されたとはいえない」と結論付けている。この調査報告書で、経済産業省(METI)は余すところなく断罪されている。当時の商務情報政策局長の西山圭太氏、同局情報産業課課長の菊川人吾氏、政策立案総括審議官の荒井勝喜氏らがエフィッシモや3Dインベストメント・パートナーズといった大株主を脅す様が記載されている。
 東芝側では、加茂正治常務執行役員と豊原正恭代表執行役副社長が何度も実名で取り上げられ、「しばらくはMETIにこわもての対応をお願いする」などの迷言まで晒された。これら二名も退任を発表してい・・・