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連載

西風 483

変わりゆく大阪の「大動脈」

2021年8月号

 大阪市を南北に貫く大動脈、御堂筋が今、変貌しようとしている。
 御堂筋といえば、四列に植えられたイチョウ並木と高さを揃えた沿道のビルが描くスカイラインが特徴であり、大都市の中心にふさわしい街並みだと、大阪人は誇りに感じてきた。
 御堂筋は「キタ」と「ミナミ」を結ぶ長さ約四キロメートル、幅員四十四メートルの幹線道路である。中央の高速車線と両端の側道を分けるグリーンベルトにイチョウの巨木が並び、晩秋には一帯を黄色に染め上げる。
 万博が開催される二〇二五年、ビジネス街の淀屋橋に、御堂筋を挟む形で東西の超高層ビルが竣工する予定になっている。
 東側のビルは日本土地建物と京阪ホールディングス、西側は大和ハウス工業と住友商事などが事業主体になる。高さは東側が百五十メートルで西側より少し高い。
 外観は大阪市の指導もあって、東西のビルを共通化することで「ツインビル」らしく整える予定だ。新しいランドマークになり、ビジネスの中心地へのゲート・タワーともなる。
 西側のビルの敷地にはスポーツ用品メーカー、ミズノの旧本社ビルがあった。同ビルは一・・・