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アフガン日本大使館の「恥さらし」

現地協力者「置き去り」の重罪

2021年10月号

 アフガニスタンのイスラム原理主義組織、タリバンが首都カブールに入城する八月十五日前後から、米国を中心に関係国による史上空前の退避作戦が展開され、アフガン人を含め推定十六万人以上が空路で国外に脱出した。
 英国のスカイニュースが八月三十日付で集計した国別空輸人数のランキングによれば、①米国(約十二万二千人)②英国(一万五千人)③ドイツ(五千三百人)④イタリア(五千人)⑤豪州(四千百人)⑥カナダ(三千七百人)⑦フランス(三千人)⑧オランダ(二千五百人)⑨スペイン(二千人)⑩トルコ、ベルギー(一千四百人)の順。欧米以外でも、インドはアフガン人五百人、韓国は三百九十人を軍輸送機で脱出させ、フィリピンもチャーター機で三十人を退避させた。
 日本は航空自衛隊輸送機四機を派遣したものの、米軍に頼まれた十四人を移送したほかは日本人の女性ジャーナリスト一人を救出しただけで、五百人以上の現地職員や協力者、その家族らが置き去りにされた。「救出作戦完敗の責任は、外務省の迷走にあった」と複数の政府当局者が批判する。

大使は「自分だけ先に逃げた」・・・

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