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政治

自民党は世襲議員の「楽園」に

首相候補は「坊ちゃん」ばかり

2021年10月号

 自民党総裁選という永田町狂騒曲もようやく終わりを告げ、政局の焦点は間近に迫った衆院選に移った。しかし、公示を待たずして勝負はついてしまった。
 新聞やテレビが連日連夜、総裁選をとりあげたおかげで自民党の支持率は急回復。菅義偉が退陣を表明する直前、自民党選対幹部があまりの首相の不人気ぶりに「このままでは自民党は下野してしまう」と慌てふためいていたのが、遠い昔のよう。
 NHK政治部出身の立憲民主党幹部が、いくら放送局に「総裁選だけでなく野党もとりあげろ」と迫っても、視聴率がとれないネタを扱わないのは、テレビ屋の宿命。各局とも総裁選の添え物として三十秒ほど野党ニュースを放送したが、何の効果もなかった。
 現金なもので、この世の終わりの如く嘆き悲しんでいた前出の選対幹部も「これなら前回並みは獲れる」と君子豹変した。

時代遅れの「門閥制度」のよう

 同じく鼻息が荒いのが、次期衆院選で先代からバトンを受け継ごうとしている自民党「世襲候補」だ。愛媛一区では安倍政権で官房長官を務めた塩崎恭久・・・