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連載

Book Reviewing Globe 450

中国共産党と起業家の関係

2021年11月号

 中国共産党は現在、中国イノベーションの立役者であったアリババのジャック・マーをはじめ起業家たちに対する執拗なハラスメントを繰り返している。ビリオネア起業家たちは、データを握り、SNSを操り、若者の心をつかみ、米ウォール街にもてはやされた。それが一転、“整風”の対象である。中国における共産党と起業家の関係をどのように捉えればよいのか。
 中国系英国人の投資家、デズモンド・シャムが記したこの稀有の内幕本にその答えのヒントが隠されている。
 シャムは中国人妻のホイットニーとともに、二〇〇〇年代、北京の新国際空港近くの地域の不動産再開発プロジェクトを立ち上げ、そこに投資した。ホイットニーは温家宝首相(当時)の妻の張培莉に食い込み、彼らはその「関係」を元手に人脈を広げていく。張に持ちかけた共同投資では張が利益の三〇%を取得すると取り決めた。彼らの最大の成功は平安保険への投資だった。平安が香港市場で上場したとき、巨万の富を手にした。
 ところが、一二年十月、ニューヨーク・タイムズ紙が温家宝一家の蓄財が二十七億ドルに達すると報道した。記事ではホ・・・