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経済

大和証券に裁判所の「鉄槌」

暴かれる電気事業投資の全悪事

2021年12月号

 悪事はいよいよ露見する。大和証券グループ本社の一部には怨嗟の声が渦巻く。
「これほど不名誉なことはない。二人はどう面目を保つつもりか」
 東京地裁は十一月十二日、大和が五〇%出資する電気事業のインフラファンド、IDIインフラストラクチャーズ(東京・麹町)に対し、社長・荒木秀輝の解任を支持する決定を下した。荒木は一切の職務執行を禁じられ、同社は今後、裁判所が仮取締役に選任した弁護士・須藤英章を中心に存続の是非を判断されることになる。この決定に控訴はできない。  
 荒木は大和の現役の常務執行役員である。それが、司法によって出向先の社長を解任されるとはどういうことか―。大和の代表執行役副社長・松井敏浩もIDIインフラ取締役を務めており、この二人による恣意的なファンド運営が「目に余る」と判断され、司法の介入となったのだ。事情を知る電力関係者が囁いた。
「ファンドの解散は必至だ。全面敗北の大和は、素人による電気事業投資の代償がいかに重いか思い知ることになるだろう」

「社長解任」の恥さらし  {br・・・

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