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経済

「原子力の掃き溜め」日本原燃の醜態

再処理工場に喰われる「電気料金」

2022年2月号

「増田さんは常に熱い。しかし、審査対応の人たちには同じ熱量が感じられない」
 一月十二日、原子力規制委員会の委員長・更田豊志は、六ヶ所再処理工場(青森県)を建設中の日本原燃との意見交換の場で、“英雄”にこう苦言を呈した。
 英雄とは、同社社長の増田尚宏―。東日本大震災発生時の東京電力・福島第二原発の所長である。第一原発と同じく原子炉の冷却機能を失ったが、増田は九キロに及ぶ外部電源ケーブルを三日三晩かけて人力でつなぎ、間一髪、第二原発をメルトダウンから救った。その危機管理能力は今も国内外の称賛を受けている。
 しかし、英雄が「必達」とした再処理工場の九月の竣工が絶望的な状況にあるのだ。規制委による詳細設計の認可(設工認)の審査が、一年半経ってもほとんど進捗していない。増田は二〇二〇年八月、竣工を二十五回目の延期で今年度上期とした際、「従来とは次元の異なる工程を組んだ」と見得を切っただけに、経営責任が重くのしかかる。竣工未達が世間の関心を呼び始めるのはいつか―。ある電力関係者が囁いた。
「ちょうど七月の参議院選挙に重なる。選挙・・・