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政治

参院選で「大揉め」の自公連立

「相互推薦」巡り憤懣の創価学会

2022年2月号

「うちとの関係を重視しない表れだ。自民党は舐めているんだ」
「こっちも付き合いを考える。公明党以外と組めばいいんだ」
 夏の参院選の「相互推薦」を巡って、自民党と公明党の間で軋轢が生じている。水面下ではそれぞれが罵り合う状況で、相互推薦どころか相互不信が芽生えている状況だ。連立を組んで二十年以上経た与党間で何が起きているのか。
 相互推薦は公明党が参院選で候補者を擁立する改選定数三人以上の「複数区」の埼玉、神奈川、愛知、兵庫、福岡の五選挙区で自民党の推薦を受け、三十二ある改選定数一の「一人区」で自民党候補者を公明党が推薦するものだ。
 公明党にとって、一人区で推薦する代わりに、自民党候補者に「比例は公明党」を働き掛けやすくなるメリットもある。公明党は複数区の東京、大阪の両選挙区も候補者を擁立するが、支持基盤のみで当選が見込めるため、自民党に推薦を求めていない。
 この枠組みは二〇一六年の参院選から始まった。この選挙から改選定数が増えた愛知、兵庫、福岡の三選挙区で公明党が新たに候補者を擁立。苦戦が予想され、自民党推薦の「金看板」を得るため・・・