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次はベラルーシ「核配備」危機

プーチンの「米欧恫喝」が加速

2022年3月号

 ウクライナ侵攻が世界の注目を集める中、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が次の威嚇を準備している。ベラルーシにロシアの核兵器を前線配備することだ。
 ベラルーシは二月二十七日、憲法改正の国民投票を行い、現行憲法の「ベラルーシを核兵器のない国とする」という非核化条項を削除する運びだ。ロシアによる核兵器配備に、法制上の道を開く。
 ベラルーシはソ連時代に、北大西洋条約機構(NATO)加盟諸国に最も近い地域として、ソ連の核弾頭搭載ミサイル約八十基を領域内に配備していた。その後、ミサイルと核弾頭はロシアに移送されたが、発射台や保管施設はほぼソ連時代のまま残された。
 プーチン大統領にとっては、ごく短時間でベラルーシに多数の核兵器搭載ミサイルを送り込むことができる。ウクライナ侵攻の次は、「ベラルーシ核危機」を大々的に演出し、ジョー・バイデン米大統領やNATO諸国首脳を揺さぶる構えなのだ。

「プーチンに核配備を求める」

 ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の行動を検証すると、・・・