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政治

岸田「媚ロシア外交」の国恥

米欧の逆を行く「軟弱路線」

2022年3月号

 ロシアのプーチン大統領は親ロシア派が事実上支配しているウクライナ東部のドネツク、ルガンスク両人民共和国の独立を承認する大統領令に署名した。米国や欧州諸国の危機回避に向けた首脳外交は失敗に終わった。この間、G7(主要七カ国)の一翼であるはずの日本政府の存在感は薄く、一貫して蚊帳の外だった。それどころか、岸田政権は「ロシアに媚びている」とも取られかねない行動に出て、欧米諸国から顰蹙を買った。
 岸田文雄首相は二月十七日、プーチン氏と電話で会談し、「力による一方的な現状変更ではなく、外交交渉により関係国にとって受け入れられる解決方法を追求すべきだ」と伝えた。ただ、日本時間の午後九時三十二分に始まった会談は、わずか二十五分間で終了。二月七日に行われたプーチン氏とフランスのマクロン大統領の会談が約六時間に及んだことを考えれば、日露首脳会談が形式的なやりとりに過ぎなかったことは明らかだろう。
 岸田政権はウクライナ危機の発生以来、ロシアに忖度して厳しい態度を取っていない。日露首脳会談の二日前には、林芳正外相とロシアのレシェトニコフ経済発展相が共同議長を務める「貿易経済に関する・・・