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経済

村上ファンドの止まらぬ「猛威」

物言う株主が着火する企業再編

2022年3月号

 元祖・日本の物言う株主として知られる村上世彰氏が絶好調だ。村上氏が関わるファンドの動きは活発で、日本企業に対する攻勢が止まらない。二〇二一年に西松建設や新生銀行で大儲けした勢いは、今年もとどまるところを知らないようだ。
「なんでうちなんかに……」。二月九日、日清紡ホールディングス(HD)の関係者は困惑の声を上げた。村上氏が関与するファンド、シティインデックスイレブンスが突如、日清紡HDの株式を五・一二%保有したという大量保有報告書を提出したからだ。
 株式市場関係者にも驚きの声が広がった。「とうとう二千億円クラスに手を出してきた」(国内大手証券)。村上氏が保有する主な銘柄を一覧表(左ページ)で見ると、ほとんどが時価総額数百億円の中堅銘柄だ。現在、ほかの出資者の資金は運用せず自己資金だけで投資しているとされ、その額は「一千億円くらいではないか」と証券界で噂されている。
 限られた投資資金で物言う株主として発言力を得るため、一割前後の株を保有するなら、時価総額が数百億円の銘柄が手ごろなのだ。今回、時価総額で二千億円近い日清紡HDに・・・