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政治

《罪深きはこの官僚》飯倉主税(総務省情報流通行政局放送政策課長)

放送業界 「言論抑圧」の黒子役

2022年4月号

 自民党が三月に本格的に検討を始めた、放送倫理・番組向上機構(BPO)の改革。推進役の自民党情報通信戦略調査会会長佐藤勉を十年以上にわたって支える黒子がいる。総務省情報流通行政局放送政策課長飯倉主税だ。昨年の総務官僚接待問題で処分された井幡晃三の後任で要職に就いた。
 一九九五年旧郵政省入省、二〇〇七年八月、当時の総務副大臣佐藤勉秘書官に抜擢され、転機を迎える。佐藤に買われ、その後、ブレーンとして支え続けている。〇八年からは三年間、情報流通行政局地上放送課長補佐として、アナログから地上デジタル放送への完全移行を担当し、放送行政に精通した。「飯倉氏の後ろには佐藤氏ありと放送業界から警戒される存在になった」(NHK幹部)。
 佐藤は、元々、自民党宏池会に所属し、長年、放送行政に関与してきた。過去には、自民党情報通信戦略調査会の下部の放送小委員会の委員長を務め「国会議員の中で一番、放送に詳しいと自負している」(全国紙政治部デスク)。飯倉は、佐藤の考えを法案や文書にまとめあげる役割を果たしているのだ。
 小委員会は一八年に、民放ローカル局の再編を積極的に推進するよ・・・