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経済

米経済「景気後退」に備えよ

金融環境「急変」の可能性

2022年5月号

 三月の米消費者物価指数は、前年同月比で八・五%にまで上昇し、四十年ぶりの高水準を記録した。現金の価値が暴落している。そして景気後退の凶兆が忍び寄っている。
 インフレでバイデン政権の支持率は低迷しており、中間選挙を控えた今年は、連邦準備制度理事会(FRB)はタカ派的にならざるを得ない。セントルイス連銀のブラード総裁は四月十八日に行われた外交問題評議会のオンライン会議の中で、フェデラルファンド(FF)金利を「年内に三・五%としたい」とし、これまでの連邦公開市場委員会(FOMC)関係者の発言で最もタカ派的と言える姿勢を示した。
 FRBは三月のFOMCでFF金利誘導目標を、〇~〇・二五%から〇・二五~〇・五%へ引き上げた。残るFOMCは年内六回だが、すべてで〇・五%引き上げとすれば、三・二五~三・五〇%となる。
 数カ月前のFRBの姿勢からは全く想像できなかった状況だ。
「紛れもなく我々は金融史の重要局面のただ中にいる。過去の歴史を見る限り、M2(市場に流通する通貨供給量の指標)の急激な伸びとほぼ同時、もしくはその一~二年後に高いインフレがやってき・・・