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経済

村上世彰に翻弄される「コスモHD」

「石油元売り再編」は毎度の虚勢

2022年5月号

 どうも腑に落ちない。この“けれん味”は何なのか―。
〈コスモHD、旧村上ファンド系が筆頭株主に 五・八一%保有〉
 四月五日、日本経済新聞電子版に躍った見出しは石油業界に小さくない波紋を広げた。
 アクティビストの村上世彰氏が率いる投資会社シティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が、石油元売り三位、コスモエネルギーホールディングス(HD)の五・一四%の株式を取得、長女の野村絢氏も取得した五十七万株分(〇・六七%)の新株予約権付社債と合わせ、コスモの筆頭株主に躍り出た、と報じたのだ。シティは、同二位の出光興産が資本提携する石油精製会社、富士石油の一〇・一一%の筆頭株主でもある。日経は、村上氏による「業界再編の可能性」を盛んに煽っていた。
 実際、翌日のコスモ株は高値三千二百六十五円と一八%上昇、富士石株も終値二百九十七円と一〇%高で引けた。二位・三位連合が実現すれば、最大手ENEOSに並び、ガソリン販売を五〇%ずつシェアする二大元売りが誕生する。その期待感が市場の大商いを呼んだのだ。しかし…&hellip・・・