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2022年6月号

▼SMBC日興「社長人事」の行方

 三月に相場操縦の疑いで複数の逮捕者を出したSMBC日興証券のトップ人事について、親会社の三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)側が頭を抱えている。
 本来は、二〇二〇年に社長になったばかりの近藤雄一郎氏は続投のはずだが、「金融庁の行政処分の重さによっては不透明になる」(FG関係者)。近藤氏は「捜査当局に対し異議を唱え抵抗した」(同前)とも言われている。金融庁もその点を問題視しており「一部業務停止もあり得ると考えている」(業界紙記者)。SMFGは当初、近藤氏の役員報酬減額で収められると睨んでいたが、雲行きがよくないため、社長交代も視野に入る。
 後任候補として真っ先に名前が挙がるのはSMBC日興に四年前から出向し、取締役専務を務めている野津和博氏。しかしそれでは刷新した感じには乏しい。
 そこでFG側の「副社長・副頭取クラスを出すか」という見方が浮上している。仮にそうなれば白羽の矢が立ちそうなのは、旧住友銀行出身で悪名高い広報マンだった副社長の夜久敏和氏だ。{br・・・