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台湾海峡も「強奪」する中国

「侵攻圧力」を強める習近平

2022年7月号

 中国の台湾侵攻はあるのか。
 五年に一度の中国共産党大会を今秋に控え、習近平政権は六月になってから、台湾に対する軍事的圧力をにわかに強めている。台湾海峡付近での軍事演習、要人による恫喝発言である。さらに台湾侵攻を意識したかのような関連法規の整備など様々な動きを見せる。「武力侵攻への布石が本格的にはじまったのではないか」。台湾の軍関係者の間で緊張が高まっている。
 まずは六月一日、中国軍で東シナ海を所管する東部戦区は、台湾周辺の海域と空域で軍事演習を実施したと発表した。同戦区報道官の陸毅大校(上級大佐)は演習の目的について「米国と台湾が結託していることへの厳正な警告だ」とした。そのうえで「私たちの部隊はいかなる外部勢力による干渉も打ち砕く決意と能力がある」と宣言した。
 中国側は演習の規模などの詳細を公表していないが、台湾軍は「海空軍合同の中規模演習とみられる」と推測したという。台湾軍関係者は「中国側がわざわざ、米軍と台湾軍が仮想敵だと強調したことは珍しい。台湾海峡の対立が新しいステージに入ったかもしれない」と指摘した。

「特別軍事作戦」のための法整備・・・