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政治

安倍一派と「木原誠二」の確執

政権と宏池会を揺らす「暗闘」

2022年7月号

 権力の座を自ら降りた後も精力的な発信と貪欲な勢力拡大を続ける「大物」と、政治信条と政策の異なる相手に敵意を強め、自らのボスの立場を危うくするほどの戦闘モードに入った総理大臣側近との対立が、七月十日投開票の参議院議員選挙後の政局の火種となりそうな気配だ。元総理大臣・安倍晋三と内閣官房副長官・木原誠二の間の確執である。
 自由民主党最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)を率い、新規入会者を増やして一層の膨張に熱の入る安倍と、総理大臣・岸田文雄の政策のほとんどに中心的に関わる木原との亀裂は、六月七日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針二〇二二」(骨太の方針)を巡って露呈した。
 政府が原案を自民党政務調査会全体会議に示したのは、六月一日の水曜日。総理大臣官邸は「三日の金曜日の定例閣議で正式決定」の日程を考えていた。
 ところが、原案には二三年度予算編成にあたり、二二年骨太の方針に加え、財政健全化への歳出改革努力を求めた二一年骨太の方針も踏まえるとあり、政調会長の高市早苗をはじめ積極的な財政出動を唱える勢力は猛反発した。
 二日、毎週木曜日に開・・・