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経済

「豊田一族」と中国マネーの深い関係

「章男の親族」の危ういビジネス

2022年7月号

「トヨタ一族のベンチャー企業が突如『失踪』 子会社の相次ぐ醜聞と関連か」。二〇一六年の本誌十月号に掲載された記事のタイトルだ。豊田自動織機製作所を創業した豊田佐吉翁から五代目、トヨタ自動車工業初代社長の利三郎氏の曾孫にあたる豊田浩之氏が立ち上げた企業に関する疑惑を報じている。いわくつきの浩之氏の周辺で、再びきな臭い話が取り沙汰されている。押しも押されもしない「やんごとなき一族」である豊田家。その家系図に連なる人物の周りでなにが起きているのか。

「アジア開発キャピタル」の影

 中堅自動車部品メーカーのイクヨは、神奈川県厚木市に本社を置き、東証スタンダードに上場している。樹脂やゴム製の内装部品を手がけ、複数の完成車メーカーと取引がある。同社が今年四月に新たな役員人事を発表した。六人の取締役候補の中に「豊田美佐子」という名前が登場する。
 美佐子氏は前述した浩之氏の母親である。利三郎氏の孫にあたり、父親は豊田自動織機で役員を務めた幸吉郎氏だ。美佐子氏はイクヨの代表取締役就任と同時に会長ポストに就いた。{b・・・

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