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経済

楽天モバイルはもう死んでいる

三木谷が負った「致命傷」

2022年7月号

 七月一日、楽天モバイルへの支持はどれだけ残っただろうか。嘘つき、裏切り、ペテン……、ネット上で散々指弾された料金改定がこの日から実施される。
 同社は通信容量が月間一ギガバイト(GB)未満であればゼロ円としていた料金を廃止、三GBまで九百八十円に改めた。しかも、新規契約だけでなく、既存加入者も無料から有料へ自動適用される。テレビCMでは「ゼロ円から使える」と盛んに喧伝していただけに、ネットの炎上は当然だった。新料金発表の五月十三日、とりわけ加入者の怒りの燃料となったのは楽天グループの会長兼社長・三木谷浩史のこの発言である。
「ゼロ円でずっと使われても困る、ぶっちゃけな話」
 翌日からKDDIの基本料金ゼロ円の料金プランへ乗り換え加入が殺到、本人確認が滞るほどシステムは輻輳し、十四・十五日の週末だけで前週比二・五倍増に達した。ソフトバンクが打ち出した「半年間ゼロ円」の料金プランも反響は大きく、今や楽天モバイルの加入者は“草刈場”なのだ。
 従来も、同社が度重なる通信障害、サポートの不備、違法端末・・・