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社会・文化

創価学会と統一教会の「近親憎悪」

「自民党依存」新興宗教同士の醜態

2022年8月号

 銃撃事件が起きた七月八日夜、ある創価学会幹部は忙しそうに関係各所に電話をかけていた。公明党だけでなく自民党の議員にも連絡を入れ、事実関係の確認に奔走した。学会幹部が知りたかったのは、同日夜の奈良県警の会見で言及された「特定の団体」について。逮捕された山上徹也容疑者が恨みを持っていたこの団体について県警は具体的な言及を避けた。しかし「宗教団体」だという情報はすぐに出回り始めた。これが創価学会という最悪のシナリオは避けられたが、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)だったからといって安堵できたわけではない。学会の元幹部の一人はこう漏らす。
「自民党と連立政権を組んだ頃から、統一教会について常に警戒してきた。今回の事件によって再び宗教団体への風当たりが強くなるのだけは避けたい」
 学会が支援する公明党が、自民党と連立政権を組んでから二十年以上が経過した。自民党議員を支援する宗教団体はいくつもあるが、中でも統一教会は特殊だ。かつては敵側にいた統一教会だが、公明党が与党となった今も、学会はこの教団と距離を置き続けてきた。学会が統一教会に向けてきた感情はかつての「敵視」から「・・・