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連載

日本の科学アラカルト 144

環境負荷を低減する 新たな「プラスチック」研究

2022年8月号

「プラスチック」とは、熱や圧力を加えると形を変えられる高分子物質のことだ。自然界にもこうした特長を持つ物質(天然樹脂)はあるが、通常我々がプラスチックと呼ぶのは人工的に作られた「合成樹脂」のことである。
 プラスチックの歴史は比較的浅い。十九世紀前半にポリ塩化ビニルが初めて合成され、その後、セルロイドなどがこれに連なる。二十世紀に入ると開発のスピードがアップし、ポリスチレンやナイロンといったものが次々と開発された。
 それまで金属や木が工業製品の材料の主流だったが、多くがプラスチックに取って代わられる。私たちの身の回りを見渡せば、プラスチックが溢れかえっているだろう。加工しやすくて大量生産に向くプラスチックは人類の生活を激変させたが、一方で社会問題にもなっていく。いわゆるゴミ問題で、自然界で長期間にわたって分解されないプラスチックには、マイナスのイメージもついて回るようになった。
 最近では、海洋に流入する大量のプラゴミが問題視されている。
 そうした中、科学の力でプラゴミ問題を解決しようという日本の研究者が日々、努力を続けている。
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