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安倍亡き岸田の「虚弱外交」

日本「媚中化」に同盟国の憤懣

2022年8月号特別リポート

岸田文雄首相が、日本の安全保障の軌道をゆがめ始めた。
「外交の岸田」を看板にしながら、憲法改正や防衛力強化に向けて、全く具体的な行動を起こしていない。安倍晋三元首相死去後の弔問外交では、日本を頼りにする韓国や台湾に対して、そうした願いを裏切る冷淡な姿勢をとった。
 浮かび上がるのは、中国の習近平国家主席との首脳会談を実現し、外交に「岸田色」を刻もうという、危険な思惑だ。中国指導部は現在、米国を凌駕するため地球規模で外交攻勢をかけており、岸田政権は篭絡すべきコマの一つだ。
 米国を筆頭にする世界の民主主義陣営が日本に期待し、国民が望むのは、独裁国家に対抗できる強い指導部と、強靭な経済体制だ。

韓国と台湾はなぜ冷遇されたか

 本誌読者はよくご存じだろう。安倍元首相は生前、中国や韓国では敵役だった。ネット世論を形成する両国のブロガーたちは、安倍氏をいかに酷評するかを競った。
 韓国の尹錫悦大統領が、弔問団を送ろうと決めたのは、日韓関係の悪い流れを変えたかったからだ。尹大統領は・・・