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政治

岸田政権をなぎ倒す統一教会の奔流

《政界スキャン》

2022年9月号

 暗殺された安倍晋三元首相の怨霊がお盆の政界をさまよっている。そんな妄想すら誘うほどに世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との「関係」を巡るマスコミの追及は八月中、政権と与野党を揺さぶり続けた。九月に入っても波はやみそうにない。岸田文雄首相の新型コロナウイルス感染で頼みの外遊が中止され、「流れを変える手持ち材料がない。宗教団体にとれる法的手段は限られる以上、良識的な対処方針を示して嵐が過ぎ去るのを待つしかない」(自民党幹部)からだ。その無為無策こそが、コロナ対策や物価高、安倍氏国葬への不満と相まって、政権への信任を急速に悪化させる負のスパイラルにはまっている。
 当初は九月初めを予定し、周辺にも示唆していた内閣改造・自民党役員人事を「サプライズ」で八月初めに前倒しした時の岸田首相は珍しく、してやったりの表情を隠さなかった。昨年秋に衆院解散(全衆院議員の解職)を前倒ししたのに続いて、再び「最強の人事権者は誰か」を効果的に見せつければ、衆院選と参院選で運良く連勝した権力基盤に、徐々に最高実力者の権威をまとうこともできるはず……。旧統一教会問題による内閣支・・・