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政治

《罪深きはこの官僚》和田浩一 (観光庁長官)

自殺者も出た 「クロワダ」の罪過

2022年11月号

 訪日外国人の水際対策が緩和され、「第二GoToキャンペーン」である全国旅行割がスタートした。
 そうした中、司令塔となるべき観光庁では問題が山積している。
「この夏の人事で異動した国際観光課の課長が、着任後に自殺して、観光庁、国土交通省内に波紋が広がっている」
 国交省の関係者はこう証言する。国際観光課といえば、政府が再び呼び込もうとしている外国人観光客を所掌する部署。その担当課のトップが、この大事な時期に自ら命を絶ったのだから穏やかでない。前出関係者がこう指摘する。
「当人には課長ポストは荷が重かったという指摘も出ているが、上司である国際観光部長が状況を把握できなかったのか」
 しかし、「そもそも観光庁の組織に問題があり人心が荒廃している」(観光業界関係者)との指摘がある。元凶はトップの和田浩一だ。
 東京大学法学部を卒業した和田は、一九八七年に旧運輸省に入省し、航空畑でキャリアを積んだ。航空局飛行場部で監理官などを歴任した後、民主党政権時代の二〇〇九年に観光庁で観光資源課長を務めた。その後、本省に戻ってから観光庁次長に就・・・