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経済

トヨタ章男が「反EV」でご乱心

世界を敵に回す異様な言動

2022年11月号

 トヨタ自動車のEV開発が一向に進まない。初の量産EVは発売一カ月でリコールを出し、原因究明までに三カ月以上も要した。加えて豊田章男社長は米国で「反EV」を堂々と宣言した上、相変わらずガソリン車によるモータースポーツに力を注ぐ。世界の潮流に逆行する「裸の王様」への社内忖度が蔓延し、EVに力を割けないジレンマに陥っている。
「トヨタが新しい構造を使う上で、知見が不十分だった」。十月初旬、初の量産EV「bZ4X」のリコール原因の解明について、前田昌彦副社長は報道向けのオンライン会見でこう語った。bZ4Xはタイヤに取り付ける「ハブボルト」が緩んで脱輪の恐れが生まれるとして、六月下旬にリコールを届け出た。そこから約三カ月半。ボルトが緩まないように「ワッシャー」と呼ぶ部品を追加で取り付ける対応をし、順次生産を再開すると発表した。
 脱輪の可能性によるリコールは車の設計の中でも「超初歩」と呼べるミスだった上、原因究明には長い期間を要した。当初からEVは電池を車体の底面全体に敷くため、周囲からは「EVでかかるタイヤへの重い負荷を読み切れなかったのではないか」との声が挙がっていた。・・・