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経済

楽天携帯という「大迷惑」

三木谷は「撤退宣告」の瀬戸際

2022年11月号

 高飛車に出て実を取る―。楽天グループの会長兼社長・三木谷浩史の“ごね得”戦術が、またも繰り返されている。総務省の動揺は小さくない。
「松井さんは何をしているんだ」
 怨嗟の対象の人物は、楽天モバイル副社長の松井房樹―。同省の北陸・九州の元総合通信局長であり、かつて電波政策課長を務めた“電波のプロ”だ。三木谷に乞われ、天下った最大の目的はもちろん、携帯電話のプラチナバンド獲得である。
 プラチナバンドとは、周波数七百~九百メガヘルツ(MHz)帯のつながりやすい電波を指す。障害物の周囲に回り込み、広いエリアを網羅するため、基地局を優位に整備できる。携帯キャリアの死命を制する電波と言ってよく、過去にも争奪戦が展開されてきた。
 NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手三社は五十MHz幅ずつ付与されているが、これを一社十MHz幅、合計三十MHz幅よこせ、と主張しているのが楽天モバイルだ。しかも、同社社長の矢澤俊介は①一年以内の移行、②約三千億円の移行費用はすべて三社負担とし、総務省の有識者会議では「終了・・・