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経済

有害無益の 「電気事業連合会」

いまや「料金値上げ」の旗振り役

2022年12月号

 電気事業連合会の凋落が止まらない。資源価格高騰への対処が必要な状況にもかかわらず、目につくのは足並みの乱ればかりだ。政官財やマスコミに睨みを利かせたのも今は昔。現状では電力各社の利害調整もままならない、単なる寄り合い所帯と化している。ついには、電事連トップから「電気料金くらい好きに上げさせろ」とでも言わんばかりの大放言が飛び出した。
 電力十社のうち東京、東北、北陸、中国、四国、沖縄の六社が規制料金の値上げを決めた。規制料金は家庭に適用されている料金体系で、全面自由化前のプランがこれに該当する。規制料金は、正確には経過措置料金と呼ぶ。規制なき独占を防ぐための料金であり、無闇やたらに値上げをしないように、国の認可を要する。いわば、電力会社にとって、この規制料金の値上げは最終手段なのである。
 電力OBの受け止めは厳しい。「規制料金値上げは経営努力の放棄だ。その感覚が今の電力トップにあるのか」。値上げ申請に列をなす電力各社を見る限り、贖罪意識は皆無と言えるだろう。
「そもそも……」とこのOBは続ける。「燃料高で苦しい今こそ電力業界・・・

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