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経済

《地方金融の研究》 福岡中央銀行

ふくおかFG「傘下入り」後の不安

2022年12月号

 闇―何か途轍もない“暗黒事案”が潜んでいるのではないか。地元金融関係者の間ではこんな臆測も飛び交う。
 福岡銀行を中核とする大手地銀グループ、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)との経営統合で今年十一月基本合意した福岡中央銀行。二〇二三年十月一日をメドに株式交換でFFGが完全子会社化、その傘下に入る。今後、株式交換比率など統合の具体的枠組みを詰め、同年三月に最終合意。同年六月の定時株主総会で承認を得たうえ、実施に踏み切る。福岡証券取引所への単独上場は廃止となる予定だ。
 とはいえ福岡中央銀の筆頭株主は現時点でも福岡銀で、発行株の一四・三八%を握る。二位株主の福岡中央銀従業員持株会(保有七・二%)に倍近い差をつけて断トツの持株比率だ。二〇年三月に福岡中央銀が実施した三十億円の優先株「奉加帳増資」(地銀筋)を巡っては、うち一割を福岡銀が引き受け、最大の資金の出し手となった。
 そればかりではない。福岡中央銀のトップは過去六代にわたって福岡銀出身者が占めてきた。今年六月に就任した現頭取の荒木英二氏の母体も無論、福岡銀だ。西南学院大学・・・

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