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経済

儲け過ぎ「東京ガス」に補助金の愚

最高益更新でも「料金高騰」の悪辣

2022年12月号

「『顰蹙』を売って回っているようなものだ」。経済産業省関係者の一人がこう苦り切る。都市ガス最大手―東京ガスのことだ。
 首相官邸で開いた政府与党政策懇談会で岸田文雄政権が総合経済対策と、その裏付けとなる二〇二二年度の第二次補正予算案の規模を約二十九・一兆円とすることを決めた十月二十八日の前日。今年度上期(四~九月)の決算発表に合わせて、東ガスは通期業績予想の増額修正に踏み切ったのである。
 当初二兆九千四百八十億円としていた売上高は三千二百五十億円増えて三兆二千七百三十億円(前期比五一・九%増)に上振れし、一千四百億円としてきた営業利益は一千五百億円(同一七・六%増)に拡大。前期比で約四%減益の九百二十億円と見込んできた最終利益は一転、一千百八十億円と同二三%の増益となる。一六年三月期に計上した一千百十九億円を上回り、七年ぶりの過去最高益更新だ。
 総合経済対策の最大の目玉は言うまでもない。高騰する電力・ガス料金を巡る国民負担の軽減だ。十月の消費者物価指数(総合)は前年同月比で三・七%上昇し、約四十年ぶりの水準にまで跳ね上がった。このうち電気代の上昇率は二・・・

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