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政治

「増税三昧」財務省の黄金の三年

岸田政権の末路は「使い捨て」

2023年1月号

「トラトラトラ」(ワレ奇襲ニ成功セリ)。岸田文雄首相と財務省幹部は、二〇二二年十二月八日木曜日を「令和の真珠湾攻撃」決行の日と呼んでいたに違いない。
「安全保障環境が急速に厳しさを増す中、防衛費は五年以内に緊急的に強化する必要がある。二〇二七年度以降、財源が毎年四兆円不足するが、うち約一兆円については国民の税制で協力をお願いしなければならない」
 政府与党政策懇談会という耳慣れない会議で、岸田氏がいきなりトップダウンで与党側に「防衛増税一兆円」を指示したのだ。
 これを、自民党税調会長で岸田氏のいとこにあたる宮沢洋一氏が「防衛費の財源問題が降ってきた。来週から議論する」と引き取った。十二月十五日の与党税制改正大綱取りまとめ予定までわずか一週間。
「会議に呼ばれもせず、突然の増税発言。反論の場もないのか。首相の真意が理解できない。罷免されるならそれも仕方ない」
 高市早苗経済安全保障担当相が公然と首相に反旗を翻すと、やはり寝耳に水だった西村康稔経済産業相も「このタイミングでの増税には慎重であるべきだ」と疑問を呈し、閣内不一致も危ぶまれた。・・・