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経済

塩野義を腐らせる「手代木社長」

税金を無駄食いする「製薬政商」

2023年1月号

 塩野義製薬が二〇二二年十月末に発表した四~九月期連結決算によれば、売上収益は前年同期比四%増の一千五百七億円、純利益は八%増の五百七十四億円だった。純利益率は三八・〇%で、国内製薬企業では二位の小野薬品工業(二八・八%)を引き離して業界トップ、全上場企業でも七位である。十一月には、同社が開発したコロナ治療薬ゾコーバを厚生労働省が緊急承認した。一見、順風満帆にみえるが、その内実は危うい。
 現在の好調ぶりは、手代木功社長によるところが大きい。メディアは、「手代木マジック」と評する。手代木氏は一九八二年、東京大学薬学部を卒業し、塩野義に入社する。常務執行役員医薬研究開発本部長などを経て、二〇〇八年に四十八歳で社長に就任した。
 塩野義は一九八〇年代まで、武田薬品工業、三共(現第一三共)と並ぶ「御三家」と言われた。しかし、二〇〇八年当時、国内売上は十位まで落ち込んでいた。手代木氏は社長に就任すると、ベンチャーでもメガファーマでもない「ハイブリッドタイプ・ファーマ」を目指すと方向性を示した。難しい言葉を使っているが、独自開発を諦め、ベンチャーやメガファーマと連携するという・・・

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