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連載

本に遇う 第277話

ワクチン接種後難記
河谷 史夫

2023年1月号

 えらい目に遭った。
 お心が素直だから言われるまま十一月の下旬、コロナワクチンの五回目を打った。二日後、風呂で両脚の付け根に発疹が出ているのに気づいた。翌日、増えている。四回までは熱も出なかった。通知書には接種後一〜一〇%に「発赤」や「紅斑」とある。こいつはワクチンのせいに違いない。
 症状は二、三日で回復というし、発疹も消えると思ったら違った。消えるどころか、胸から背中、腹、両手両足と侵食されていく。大きさも赤みもまちまち。まるでロシア軍にミサイルを無差別に撃ち込まれたウクライナの図だ。痒い。
 政府の言うことを信じてはならないと常々言っているくせに、何としたことか。通知書にある「副反応相談専門窓口」に電話をかけて「どうすればよろしいか」と聞いたら「皮膚科へ行って下さい」と言うだけである。自動応答同然の窓口など不要だと腹が立ったが怒鳴ってみても始まらない。
 さればと隣町の医院へ行った。難しそうなのはどんどん大病院へ回す医者で、ワクチンと発疹の因果に関する知見は無論ない。この間、占領地帯は拡大し、痒みは増している。紹介状を書いてくれた。地元の・・・

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