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欧州王室はいずこも多難

ヘンリー暴露本の「激震」が波及

2023年2月号

 英国のヘンリー(ハリー)王子の暴露本のおかげで、今年も王室ゴシップが世界のメディアを席巻している。英国の若い世代では早くも、王室廃止論が過半数を占め、新国王チャールズ三世の人気は低迷している。
 英国王室の激震は、北欧からアジアに至るまで世界中の王室に及びそうだ。王室を戴く各国の国民やメディアからは「我が国は大丈夫か?」との声が上がっている。

北欧の大胆な「王室リストラ」

 ヘンリー王子の暴露本出版に先立つ、今年の元旦のことだ。
 国民を驚かせたのが、デンマーク王室だった。八十二歳のマルグレーテ女王を中心に、元日のあいさつに七人が並んだ。これでもにぎやかだが、昨年はもっと多かった。女王の次男ヨアキム王子の一家六人がごっそり消えたのだ。
 女王は昨年九月末、王子夫妻を招いて「あなた方の子供は、もはや王室メンバー扱いにはしません」と告げた。王子には、前妻との間の二子、マリー妃との間の二子の計四子がいる。長男のフレデリック皇太子には二男二女がいて、もはや跡継ぎの心配はない。大胆な王室・・・

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