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経済

《地方金融の研究》横浜銀行

神奈川銀行買収の「些末な理由」

2023年3月号

「トップ行としての威信と、その裏にちょっぴり滲む危機意識」。地方銀行関係者の一人は横浜銀行の胸の内をこう解き明かす。
 地銀界の「雄」で、コンコルディア・フィナンシャルグループ(FG)中核の横浜銀が同じ神奈川県を地盤とする第二地銀、神奈川銀行の買収を決めた。今年四月四日まで一株当たり普通株一千七百十六円、優先株一万八円で発行済み神奈川銀株の買い付けを展開。最終的に全株(普通四百十九万三千九十六株、優先十万三千五百株)を取得して完全子会社化を目指す計画だ。応募株数が全株に達しなかった場合はTOB成立後のスクイーズアウトも実施する方針で、総額八十二億円を投じる。
 神奈川銀の筆頭株主は地元商社の横浜振興で持株比率は九・二四%。そのほか日本木漕木管(持分八・一九%)、朋栄(同八・一三%)、丸全昭和運輸(同二・八三%)やみずほ銀行(同二・八二%)などが大株主に名を連ねる。神奈川銀はすでにすべての株主に対しTOBへの賛同の意と応募推奨を訴える書簡を送付しており、TOBの手続きは比較的順調に進む見通しで、早ければ六月にも完全子会社化が実現する予定だ。

ふくおかFGの存在・・・

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