三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

経済

《地方金融の研究》足利銀行

自治体から「手数料徴収」で非難囂々

2023年4月号

「公金取扱にかかる事務効率化と手数料に関する連絡協議会」―こんな長ったらしい名前の組織が発足したのは今年二月末のことだった。高根沢町を除く栃木県内全二十四市町が参加し、宇都宮市と茂木町の二カ所に事務局を設置。情報収集や各種ヒアリング調査などを担う。
 協議会立ち上げのきっかけとなったのは昨年末、足利銀行が各自治体に提示した一つの「通告書」だ。現在は無償で提供している公金の取り扱い業務の大半を有償化したいという内容である。
 徴収する手数料は市町民税などの窓口収納業務が一件当たり百十円(消費税込み)、業者への対価の支払いなどにかかる振込・送金が同百十~八百八十円(同)。窓口収納は二〇二四年四月、送金は同十月からの有償化を求めている。足利銀は県と二十四自治体の指定金融機関(指定金)。税金収納には市庁舎内などに窓口を設けて行員を派遣する必要があり、システムを回すにも相応のコストがかかる。その一部を自治体側にも負担してもらいたい、というわけだ。
 背景には無論、長引く超低金利で金融機関を取り巻く収益環境が厳しさを増していることがある。全国地方銀行協会などの調査では・・・

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます