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政治

自民党が再び「国民民主」に食指

維新躍進で渦巻く「連立再編論」

2023年5月号

 孫子の兵法にあるように「戦わずして勝つ」のが上策なら、「敵」を取り込むのが早道だ。自由民主党は初めて野党に転落した一九九三年以降、ずっとこの手でやってきた。今また、連立を組む公明党と衆議院の安定多数の議席を持つにもかかわらず、統一地方選挙での日本維新の会の躍進を受け、一時は諦めたかに見えた国民民主党の連立入りを画策し、野党分断を図る動きを始めている。
 二〇二三年度政府予算の成立前後から目立つようになったのは、自民党の副幹事長らが国民民主党の中堅、若手との会食を重ねる姿だ。国民民主党の取り込みが次の総選挙での勝利を確実にするとして副幹事長らの尻を叩く自民党幹部は「総選挙が近いとの観測が広がり、国民民主党が与党側に立つか、野党に徹するか迷っている今がチャンスだ」と語る。
 昨年の参議院議員選挙の後から年末にかけて水面下で進みながら「未遂」に終わった工作では、自民党副総裁の麻生太郎や幹事長の茂木敏充らが動き、国民民主党は代表の玉木雄一郎や国会対策委員長の古川元久が窓口になった。そのレベルを一段下げ、ボトムアップで雰囲気作りをした方が「自公国」連立実現の早道だというのが・・・

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