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ロシア「ベラルーシ併合」の現実味

「ルカシェンコ重病」で動乱観測

2023年6月号

 ロシア最大の同盟国、ベラルーシのルカシェンコ大統領(六八)が体調を悪化させ、死期が近いとの見方が広がっている。一九九四年以来三十年近く政権を維持するルカシェンコの不在なら、政治混乱は必至で、大統領選で親欧米の反政府勢力が政権を樹立しかねない。
 ロシアにとっては、ウクライナ以上の衝撃であり、一気にベラルーシ併合に動く可能性がある。ベラルーシ内政は、ウクライナ戦争の行方にも影響しそうだ。
 ルカシェンコは五月九日にモスクワで行われた戦勝記念日のパレードに中央アジア指導者らと参加したが、右手に包帯を巻き、歩行が困難で、三百メートル歩くのにカートを使った。声はかすれ、昼食会も欠席。終了後、救急車付きの車列で空港に直行した。
 六日後に空軍司令部を訪れるシーンが国営テレビで放映されたが、今度は左手に包帯を巻き、一段と衰弱して見えた。ベラルーシの独立系メディア「ナーシャ・ニワ」は、心臓疾患を患っており、冠状動脈手術を受けたと報道。五月二十五日モスクワで行われたユーラシア経済同盟の首脳会議には出席したが、声や表情は弱々しかった。
 コルホーズ(集団農場)支・・・

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